2023-01-01から1年間の記事一覧

令和五年神楽月 『阿弥陀聖衆来迎図』『柳橋水車図屏風』『風流やつし源氏・すま』『六歌仙』

今年は、11月になっても暖かい日が続いています。表題に「霜月」と書くのはふさわしくないかなと思っていたら、東博本館10室に鈴木晴信の『風流四季哥仙・神楽月』という作品が展示されていましたので、旧暦11月のもう一つの呼び名「神楽月(かぐらづき)」…

令和五年神無月 『善財童子』、『大原御幸図屏風』、『役者似顔錦絵』、『渓山四時』

今日はまず、東京国立博物館本館11室の善財童子に会いに行きました。合掌して文殊菩薩の方を振り向く可愛らしい像です。運慶の孫弟子の康円が作った『文殊菩薩騎獅像および侍者立像(もんじゅぼさつきしぞうおよびじしゃりゅうぞう)』の中の一体です。 善財…

令和五年葉月(2)『厩図屏風』、魚屋北渓『玉川布晒し図』、インド細密画『ラーダーの髪を編むクリシュナ』

東京国立博物館本館2階の3室には、珍しい屏風が展示されていました。室町時代の作品で、重要文化財の『厩(うまや)図屏風』です。室町時代は戦乱が続く武士の世でした。武士たちにとって馬は戦場での乗物であるばかりでなく、貴重な宝物だったようです。こ…

令和五年葉月 国宝「円珍戒牒」、狩野探幽他「帝鑑図屏風」、春信「舟中蓮とる二美人」

東京国立博物館本館2階では、今週2室(国宝室)と10室(浮世絵)で展示替えがありました。今回は、2室から国宝『円珍戒牒』、8室の狩野探幽他『帝鑑図屏風』、10室の春信『舟中蓮とる二美人』を取り上げます。 猛暑にもかかわらず、たくさんの外国人が日本美…

令和五年文月 縄文時代の「注口土器」 藤原定家の「申文」 広重の「両国花火」 そして宮沢賢治

今週、東京国立博物館(トーハク)本館では、1室(縄文・弥生・古墳)、国宝室、10室(浮世絵)他で展示替えがありました。また、2室では先週から特集展示「藤原定家ー『明月記』とその書」が始まっています。今回はその中から次の3点をご紹介します。 最初…

令和五年水無月 「般若菩薩像」、栄之と歌麿の「蛍狩り」、「太刀(号 今荒波)」

今週、東京国立博物館の本館では2室(国宝室)と10室(浮世絵)で展示替えがありました。国宝室の作品は鳥取・豊乗寺(ぶじょうじ)の『普賢菩薩像』です。年月とともに黒く変色する銀箔や銀泥をたくさん使っているせいか、暗い画面となっています。しかし、…

令和五年皐月 家康の「日課念仏」、浮世絵、シルクロードの菩薩像頭部

今週、東京国立博物館本館では、国宝室、5・6室(武士の装い)、10室(浮世絵)他で展示替えがありました。国宝室では詩画軸『渓陰小築図』が展示されていましたが、寄託品のためか撮影不可とのことで、残念ながらご紹介できません。その代わり、面白いもの…

令和五年卯月 国宝「普賢菩薩像」他

東京国立博物館(トーハク)に行ってきました。今週展示替えのあった作品の中から、三作品を取り上げます。最初は本館国宝室の『普賢菩薩像』です。国宝指定絵画第1号、トーハクの列品番号もA-1です。5月7日まで展示されています。 普賢菩薩像 平安時代・12…